PPA
PPAの概要
PPA(Purchase Price Allocation)とは
企業買収の取得対価を、取得した資産・負債に配分する手続きです。
取得した子会社が保有する資産・負債は公正価値で評価され、B/Sに計上されていない商標権等の無形資産も評価の対象となります。
PPAは事後的な会計目的として行われることが一般的です。
PPAにかかる無形資産価値評価のイメージ
PPAの手順
PPAの概要 無形資産の識別
無形資産は、「分離可能性要件」または「契約・法的要件」のいずれかを満たす場合に識別可能となります。
「分離可能要件」または「契約・法的要件」を満たす識別可能無形資産の具体例
PPAの概要 公正価値の算定方法
無形資産価値分析の定義
価値分析を⾏う無形資産価値とは、価値分析対象資産の公正価値(Fair Value: FV)のことをいいます。
公正価値とは、『測定⽇において、市場参加者間で秩序ある取引が⾏われた場合に、資産の売却によって受け取るであろう価格⼜は負債の移転のために⽀払うであろう価格』をいいます。(IFRS13号「公正価値評価」)
公正価値の算定方法
価値分無形資産の公正価値を分析するにあたっては多くの価値分析アプローチが考えられるが、価値分析対象となる無形資産の特性、価値分析の⽬的、価値分析対象のおかれている状況や事業特性等を総合的に勘案して、最も適切と思われる価値分析アプローチ⽅法を選択あるいは組み合わせることにより価値分析を⾏います。
価値分析アプローチ
インカムアプローチ-ロイヤリティ免除法
ロイヤルティ免除法による無形資産の評価方法
評価対象無形資産以外の資産の使用により通常獲得する利益(キャピタル・チャージ)を差引いた残余利益を無形資産が生み出す超過収益と考え、当該超過収益を基に無形資産価値を評価します。商標・特許等を⾃社保有する場合、その商標・特許等を製品の製造において活⽤したとしてもキャッシュアウトは⽣じないが、仮に当該商標・特許等を⾃社保有していない場合には、商標・特許実施権を外部の第三者から購⼊する必要がありキャッシュアウトが⽣じる。免除ロイヤルティ法は、商標・特許等の無形資産について、無形資産を⾃社保有することによって「節約されているロイヤルティ額」に着⽬して評価を⾏うインカム・アプローチによる評価⼿法の⼀つです。
具体的には、評価対象の無形資産を活⽤して⾏われる事業活動により将来的に獲得される経済的便益(⼀般に売上⾼)を予測し、その経済的便益に対して市場取引事例等から導出されたロイヤルティ料率を乗じることにより無形資産帰属価値を算定した上で、これを⼀定の割引率を⽤いて現在価値に割引くことにより評価を⾏います。
インカムアプローチ-超過収益法
超過収益法による無形資産の評価方法
評価対象無形資産以外の資産の使用により通常獲得する利益(キャピタル・チャージ)を差引いた残余利益を無形資産が生み出す超過収益と考え、当該超過収益を基に無形資産価値を評価します。